第1回 会社形態による税務上の違い
永野森田公認会計士事務所
ご挨拶
『創造性』、そして『可能性』が満ち溢れるこのシリコンバレーに、当事務所が2000年5月に事務所を設立してから早2年になります。以来、起業家の方々 をはじめ、多数の日系企業を会計事務所として会計・税務面において支援させていただいております。このたび、SVJENの発足にあたり、今後益々多くの日 本人の起業家が現れ、それぞれの『夢』を実現されることを望んで止みません。そのような方々の、ビジネスの成功を心よりお祈りし、微力ながらご支援させて いただければ幸いです。
様々な会社形態とその税務上の違い
さて、今回は初回の掲載ということもあり、ビジネスを始められるに際し、あるいは、米国に会社を設立されるに際してのトピックスを選ぶことに致しました。 会社を設立される場合、その会社の形態により会計・税務面を含め様々なメリット・デメリットがあり、これらを事前に理解しておくことはビジネスを展開され るにあたり必要不可欠なことと言えます。このような理由で、今回および次回は、米国でビジネスを始められる際にどのような形態があり、それぞれ税務上どの ような違いがあるのかということを簡単にご紹介したいと思います。
米国で事業を始めるに際して
まず、米国でビジネスを始める際には、大きく分けて2通りのケースがあるかと思います。ひとつ目のケースは、既に日本で事業を展開していて米国に進出され る場合(ケース1)であり、2つ目は米国ではじめて起業される場合(ケース2)です。ケース1、2は、日本で事業が既にあるか否かの違いはありますが、い ずれの場合においても、米国でビジネスを始めるという点に関しては共通したテーマですので、それぞれの特徴をはじめに紹介しておくことは有用ではないかと 思います。
[ケース1]
(注記:現地法人は、C Corporationの形態における比較となります)
[ケース2]
米国において会社を設立する場合、あるいは事業を始める場合、いわゆるC Corporation(普通法人)が一般的に知られていますが、これ以外にも、Sole Proprietorship(個人事業)、Partnership(パートナーシップ)、S Corporation(小規模法人)、Limited Liability Company(有限責任会社)などの様々な事業形態があり、それぞれにおいてメリット・デメリットが異なります。これらの紹介、あるいは違いについて は、次回、掲載させていただくことにします。
なお、ケース1の米国現地法人設立に際して、ケース2の様々な事業形態を選択することもできますが、いずれの場合においても事前に専門家から適切なアドバイスを受けられることをお勧めします。
(2002年6月 Copyright:Nagano & Morita CPA 2002)
記事についてのお問い合わせは、info@svjen.org まで。
『創造性』、そして『可能性』が満ち溢れるこのシリコンバレーに、当事務所が2000年5月に事務所を設立してから早2年になります。以来、起業家の方々 をはじめ、多数の日系企業を会計事務所として会計・税務面において支援させていただいております。このたび、SVJENの発足にあたり、今後益々多くの日 本人の起業家が現れ、それぞれの『夢』を実現されることを望んで止みません。そのような方々の、ビジネスの成功を心よりお祈りし、微力ながらご支援させて いただければ幸いです。
様々な会社形態とその税務上の違い
さて、今回は初回の掲載ということもあり、ビジネスを始められるに際し、あるいは、米国に会社を設立されるに際してのトピックスを選ぶことに致しました。 会社を設立される場合、その会社の形態により会計・税務面を含め様々なメリット・デメリットがあり、これらを事前に理解しておくことはビジネスを展開され るにあたり必要不可欠なことと言えます。このような理由で、今回および次回は、米国でビジネスを始められる際にどのような形態があり、それぞれ税務上どの ような違いがあるのかということを簡単にご紹介したいと思います。
米国で事業を始めるに際して
まず、米国でビジネスを始める際には、大きく分けて2通りのケースがあるかと思います。ひとつ目のケースは、既に日本で事業を展開していて米国に進出され る場合(ケース1)であり、2つ目は米国ではじめて起業される場合(ケース2)です。ケース1、2は、日本で事業が既にあるか否かの違いはありますが、い ずれの場合においても、米国でビジネスを始めるという点に関しては共通したテーマですので、それぞれの特徴をはじめに紹介しておくことは有用ではないかと 思います。
[ケース1]
- 日本法人の米国駐在員事務所
米国での事業展開を模索する段階で有効な形態です。設立が簡単で、事務所の活動が日本の事業の準備的・補助的範囲に限られており、また営業活動を行わないという活動範囲において、税務上の特典を受けることができます。 - 日本法人の米国支店
事業目的が明確であり、初期の営業活動を展開するうえで有効な形態のひとつです。営業活動をすることができ、事業が軌道に乗るまでの損失等を、日本法人の利益と相殺することができますが、法的には米国の法律が日本法人に及ぶことになります。 - 米国における現地法人
米国法人と、日本法人の法的責任を分けることになります。その代わり、支店のように日本法人側が損失を相殺するなど、税務上の特典を受けることはできません。
上述の3通りの進出形態における様々な違いを、以下のような簡単なリストにしましたので、参考にしていただければと思います。
<米国進出形態の違いによる様々な違い>
| 支店(外国法人) | 駐在員事務所(外国法人) | 子会社(現地法人) | ||
| 法的責任 | 米国に支店を有する外国法人は、その支店の債務・義務に対して直接訴訟の対象となる(本社は、米国?連邦・州?の裁判管轄に服する) | 同左 | 原則として、親会社は米国子会社の法的責任に対して責任を負わない(本社は、米国?連邦・州?の裁判管轄に服さない) | |
| 商業上、又は、ライセンスの制約 | 外国法人に対しては商業上、ライセンス上制約を加えるところがある | ? | 子会社に対しては制約はない | |
| 米国事業の売 | 譲渡益のうち大部分は普通所得として課税される | 同左 | キャピタルゲインが適用されるか、場合によっては非課税 | |
| 税務上の留意点 | 税法 | 本社は、米国(連邦・州)の税法に服する | 同左 | 本社は、米国(連邦・州)の税法に服さない |
| 税務調査 | 税務調査は本店にもおよぶ | 同左 | 税務調査は原則として子会社の帳簿のみ | |
| 課税範囲 | 当該支店の米国事業と実質的に関連のある所得に対して通常の税率で課税される | 事務所の活動が準備的・補助的活動に限られていること(営業活動がされていない状態)を条件として、連邦法人税の対象にならない(ただし、連邦法人税の申告書は提出) | 子会社の全世界所得が米国で課税の対象となる | |
| 米国支店から外国の本店への送金に対しては米国で課税されない | ||||
| 支店の現地法人化に伴う、本社からの現物出資による現地法人の株式取得は、議決権を80%以上取得するという条件下で非課税となる | 同左 | 子会社から親会社への配当は源泉所得税が課税される(10%) | ||
| 利益配分 | 本支店間の収益・費用の配分は「実質的関連性」の基準に従う | - | IRSは、必要があると認めた場合、親子間の収益・費用を再配分することができる | |
| 源泉徴収税 | 本支店間のロイヤルティの受け払いは通常考えられない | 同左 | 外国に対して支払われるロイヤルティに対しては、源泉所得税が課せられる(10%) | |
| 損金処理 | 支店開設時、及び事業が採算ベースにのるまでの営業損失は、本社で負担できる | 同左 | 現地法人に欠損が出ても、親会社の損益には直接の影響はない | |
| 本社経費は、合理的な範囲内で支店負担とすることができる | 同左 | |||
(注記:現地法人は、C Corporationの形態における比較となります)
[ケース2]
米国において会社を設立する場合、あるいは事業を始める場合、いわゆるC Corporation(普通法人)が一般的に知られていますが、これ以外にも、Sole Proprietorship(個人事業)、Partnership(パートナーシップ)、S Corporation(小規模法人)、Limited Liability Company(有限責任会社)などの様々な事業形態があり、それぞれにおいてメリット・デメリットが異なります。これらの紹介、あるいは違いについて は、次回、掲載させていただくことにします。
なお、ケース1の米国現地法人設立に際して、ケース2の様々な事業形態を選択することもできますが、いずれの場合においても事前に専門家から適切なアドバイスを受けられることをお勧めします。
(2002年6月 Copyright:Nagano & Morita CPA 2002)
永野森田公認会計士事務所
1984年9月、ロサンゼルスで設立。日系企業の米国への進出、業務拡大に寄与することを目的とし、新会社設立準備から会計、投資、経営、税務、財務管理などのサービスを提供。サンディエゴ、東京に続き、2000年5月にシリコンバレー・オフィスをサンノゼに開設。
ウェブサイト:http://www.nagano-morita.com
お問い合わせ:siliconvalley@nagano-morita.com
1984年9月、ロサンゼルスで設立。日系企業の米国への進出、業務拡大に寄与することを目的とし、新会社設立準備から会計、投資、経営、税務、財務管理などのサービスを提供。サンディエゴ、東京に続き、2000年5月にシリコンバレー・オフィスをサンノゼに開設。
ウェブサイト:http://www.nagano-morita.com
お問い合わせ:siliconvalley@nagano-morita.com
記事についてのお問い合わせは、info@svjen.org まで。

